CBDを摂取してみたものの「イマイチ効果を実感できない…」という人は、使い方や製品の選び方が間違っている可能性があります。
そこでこの記事では、CBDで効果がないと感じる5つの原因と対処法をわかりやすく解説します。
また自分に合ったCBD製品を選ぶための方法についても紹介していきます。
目次
CBDの効果が出ない原因【5つ】
まず知っておきたいのは、人間にはCBDを受け取り、分解し、利用するための生物学的システムが元々備わっているということです。このシステムのことをECS(エンド・カンナビノイド・システム)と呼びます。
人間の体内には、内因性カンナビノイドという成分を生みだし活用する仕組みがあります。大麻由来の成分であるCBDやTHCといった植物性カンナビノイドも、体内では内因性カンナビノイドと同じ場所に作用して働くことができると確認されています。
参考資料:Endocannabinoid system
私たち哺乳類の身体は、体内に取り込まれたCBDを活用できるように作られているので、きちんと摂取しているのに効果が出ないというのは、理論上あり得ないことだといえるでしょう。
つまりCBDの効果を実感できないのは、体内の仕組みではなく別の部分に原因があるのです。
考えられる5つの原因と対処法について、一つ一つ詳しく見ていきましょう。
摂取量が少ない
CBDは、少量であってもきちんとECSに作用すれば、体内で様々な効果を発揮することが理論上可能です。しかし、摂取するCBDの量がそもそも十分ではないと効果も実感しにくくなります。
というのも、人間の身体は物質を分解・代謝しながら成分を体内に取りこんでいきます。そのため、摂取した成分の全量が体内で活用されるわけではありません。
分解・代謝の過程で消化されて失われてしまうことも多く、最終的に作用できるのは摂取量の10%未満ということもあります。
参考資料:大日本住友製薬 からだを旅する薬のことVol.1~3
この原因を改善するためには、摂取量を底上げすることに加えて、摂取方法を変えて吸収率を改善させることが効果的です。
摂取量を増やす
現在使用しているCBD製品の、CBD含有率もしくは濃度を正確に把握していますか?
自分が1回にどのくらいの量(㎎)のCBDを摂取しているのかを明確にして、総量を増やしてみましょう。リキッドなどで吸入摂取をしている場合には、使用するリキッドの濃度を上げてみることも有効です。
目安となる摂取量は以下の表を参考にしてください。(成人体重50キログラムとした場合の1日の摂取量目安)
低用量 | 15㎎前後 |
中用量 | 50㎎~ |
高容量 | 100㎎~ |
CBDの摂取が初めてという場合に、世界的に推奨されている摂取量は1日15㎎前後です。
CBDは安全性が高く、1500㎎近い量を継続的に摂取してもその忍容性は良好であるという試験データもあります。
参考書籍:Healing with CBD 著:Eileen Konieczny
摂りすぎてしまった分は代謝され尿と一緒に排出されるだけで、過剰摂取による副作用などは起こりません。心配な方は、5~10㎎ずつを目安に摂取量を増やしてみるといいでしょう。
バイオアベイラビリティを考える
バイオアベイラビリティとは、体内での吸収率のことです。同じ摂取量でも、摂取方法を変えることで吸収率が上がり効果を実感しやすくなります。
摂取方法 | バイオアベイラビリティ |
---|---|
吸入 | 最大44%前後 |
舌下摂取 | 6~20% |
経口摂取 | 6~15% |
経皮摂取 | 全身作用はない(局所吸収率は最大90%) |
参考書籍:Healing with CBD 著:Eileen Konieczny
吸入摂取は最もバイオアベイラビリティが高いものの、煙を吸いこむことに慣れていない人は抵抗があるでしょう。経口摂取は気軽に場所を選ばず摂取できるものの、消化器官を通過するためバイオアベイラビリティは低くなります。
それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、無理のない範囲でバイオアベイラビリティを意識して摂取してみましょう。
自分に合った製品を使っていない
CBDには様々な薬理効果がありますが、効果によって製品の向き・不向きがあります。バイオアベイラビリティが高いからという理由で、経皮摂取ですべてのトラブルが解決できるということはありません。
自分が目的とするCBDの作用に最適な製品を選ぶことが重要です。
また、同じ薬を使っても効く人効かない人と個人差があるのと同じように、同じCBD製品にも効果に個人差があります。これは一人一人の身体の状況、年齢、体重、生活習慣、過去の病歴などが複合的に関係していると考えられています。
参考資料:東邦大学薬学部 「薬の効き方に個人差があるのはなぜか」
これらの原因を改善するためには、目的を明確にして最適な製品を選ぶこと・同じ製品でも違うメーカーのものを試してみることが効果的です。
目的を明確にする
CBDを摂取する目的は、人によって様々です。これは、CBDが多様な薬理効果を持ち合わせているためであり、それを明確にすることは製品選びのポイントとなります。
目的 | 作用するべき箇 | おすすめの製品 |
---|---|---|
健康維持・神経保護 | 全身 | オイル・エディブル |
局所的な鎮痛 | 痛みのある部分 | クリーム・CBD入り軟膏 |
皮膚炎・抗炎症 | 炎症のある部分 | オイル・クリーム・化粧品 |
リラックス・気分転換 | 脳 | リキッド・ワックス・ペン |
たとえば、脳に作用させてリラックス効果を得たいという場合に、吸収率が高いからといって経皮摂取を選んでもほとんど効果はできないでしょう。反対に皮膚炎に対してオイルを摂取するのは効果的ではありません。
目的ごとにCBDが作用するべき箇所が異なります。この作用するべき箇所を知ることで、どの製品を使うと効果的なのかを判断できます。
違う製品を試してみる
自分にとって最適な製品を使っていたとしても効果が実感できないときは、その商品が自分に合っていない可能性を考えてみましょう。
たとえば頭痛薬で同じような成分構成であるにも関わらず、頭痛薬Aは効かないけれど頭痛薬Bはよく効くということがありますよね。他にも、自分には頭痛薬Aはあまり効果がないが、頭痛薬Aで症状が改善する人もいます。
このように、同じ成分であっても製品によって効き方に個人差があるのは、CBDにも共通していえることです。同じ濃度のCBDオイルでも、原料となる麻の品種の違いやキャリアオイルの違いによって効き方が変わってくることは十分に考えられます。
「メーカーを変えてみたら効果が出た」「ブロードスペクトラムからフルスペクトラムに変えたら効果が実感できた」ということも少なくありません。
粗悪品を使っている
アメリカの食品医薬品局は、2016年にCBD製品の抜き打ち検査を行い、その結果表記されている通りの量のCBDを含んでいる製品はほとんどなかったという検査結果を発表しました。
実際の含有量よりはるかに少ない量のCBDしか含まれていない製品や中にはCBDが含まれていない製品も見つかりました。
その後も定期的に検査・警告が行われ状況は大幅に改善しつつありますが、中には粗悪品を流通させているメーカーも見受けられます。
参考資料:アメリカ食品医薬品局 Testing of CBD-infused products conducted
この原因を改善するためには、信頼性の高いメーカーからの購入や実店舗で実際に試してから購入するなどの対策を取ることが効果的です。
信頼できる製品を選ぶ
まずは製造元・販売元が信頼できるメーカーかどうかを見極めていきましょう。製造元・販売元のサイトを見ると、原料となる麻がどのような環境で育てられているのか・どのようなポリシーを持って製造しているのかなど様々な情報を得ることができます。
安易に値段やパッケージで判断するのではなく、製造のバックグラウンドがどのようになっているのかを知ることは重要なことです。
その後で、これから購入しようとしている製品が信頼できる製品かどうかを判断していきます。製品のラベルや検査ラボの結果などを確認し、CBDがきちんと含まれているか・違法な成分は含まれていないかをしっかりと確認しましょう。
脂肪酸摂取量が少ない
CBDは脂溶性の化合物であるため、体内に十分な飽和脂肪酸があるか否かで吸収率に差が生まれます。
身体に取り込まれた成分が吸収されやすい体内環境なのかどうかによって、同じ量のCBDを摂取していても活用される量が変わってきてしまうのです。
参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット 食物と薬の相互作用
この原因を改善するためには、日々の食事に気を使い、CBDが活用されやすい体内環境を作ることが効果的です。
体内環境を整える
脂溶性の化合物のバイオアベイラビリティを高めるには、飽和脂肪酸が豊富に含まれている製品を定期的摂取しておくといいでしょう。
生クリーム・チーズ・バター・マーガリン・卵・牛肉・豚肉・鶏肉・ベーコン・ウインナー・ハム・アボカド・ココナッツオイルなど。
これらの製品には、良質な飽和脂肪酸が豊富に含まれています。日頃から意識的に摂取するよう心がけておくことが推奨されますが、難しい場合にはCBDを摂取する前後もしくは同時に摂取するだけでもバイオアベイラビリティは変わってきます。
ヘンプシードオイルと間違えている
ヘンプシードオイルは、麻の実から絞った油です。原料こそ「麻」ですが、ヘンプシードオイルにはCBDやTHCといったカンナビノイドは含まれていないので間違えないようにしましょう。
ヘンプシードオイルは、ゴマ油やココナッツオイルと同じように必須脂肪酸が豊富に含まれた健康に良い植物性の油です。
参考資料:S&B FOODS 麻の実/Hemp seed
この原因を改善するためには、購入前に成分をしっかりと確認しておくなどの対策が必要です。
間違えない選び方
ヘンプシードオイルとCBDオイルどちらのパッケージにも、麻の絵が描かれていることが多く一見すると区別が難しいこの2つですが、名称に明確な違いがあります。
自分に合ったCBDの選ぶポイント【2つ】
オイル・リキッド・エディブル・クリーム・ワックス・パウダーなどCBD製品はバリエーションが豊富です。それに加えて、製品一つをとってみても様々なメーカーが多くの種類を商品化しています。
CBDに慣れている人でも、自分にとってベストなものを見つけるのは簡単なことではありません。そこでCBDや大麻に詳しいプロに相談して決めるというのも一つの手です。
CBDは安全性が高く身体にとって非常に有益なものだということが、少しずつ日本国内でも認知されてきたことで、CBD商品を取り扱う実店舗が増えてきています。
市販薬を買うときに薬剤師さんに相談をするように、商品を買う前にCBDのプロに相談してみることは、自分にあった商品を見つける近道となるでしょう。
実店舗で購入する
- CBDのプロに相談ができる
- 試飲ができる商品もある
- その場で購入することができる
- CBDを楽しむ人同士でコミュニケーションがとれる
国内外のCBD商品を集めて販売する実店舗では、その道のプロである店員にCBDに関する相談にのってもらうことができます。自分にはどのような製品があっているのか・正しい使い方・人気の商品など、様々な情報を教えてもらえるでしょう。
オイルやエディブルなどをその場で試すことができるお店もあり、納得した上で商品を購入できます。
オンラインカウンセリングを受ける
- CBDのプロに相談できる
- 店舗に出向く必要がなく、自宅にいながら相談できる
- 自宅に商品を送ってもらえる
電話やインターネットのテレビ電話サービスを使って、オンラインカウンセリングを実施している店舗もあります。こちらも商品の選び方や使い方について細かく相談にのってもらえるため、疑問や不安を解決したうえで安心してCBDを使うことができるでしょう。
実店舗が近くにないという方や、店舗に出向く時間がないという方でも、好きな場所から好きな間にカウンセリングを受けることができるので非常に便利です。
オンラインカウンセリングを受けられる店舗
・CBD(coffee)
まとめ
CBDは自然で毒性がなく安全性の高い化合物です。様々な薬理効果を持っており、私たちの体内には、CBDを活用するシステムが元々備わっています。
仮に実感できる効果がなかったとしても、CBDが基本的に持っている抗炎症作用や神経保護作用といった恩恵は、少なくとも受けているということになります。
それ以上に、強く効果を実感したい場合やより自分の疾患にあった商品を選びたいという場合には、身体をよりCBDが活躍できるコンディションに整えることや、カウンセリングで身体に合った商品を探してもらうことが効果的です。